この記事は看護師が福祉住環境コーディネーターを取得するのに調べたことや、取得を考えている方の参考になればと書いた記事です。在宅の環境を整えるのに必要な福祉用具や住宅改修の知識なので看護師の仕事とも関連が深いこの資格。特に在宅看護に関わる方は参考になればと思います。
はじめに
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターという資格を知っていますか?
福祉用具や住宅改修に役立つ知識を持つスペシャリストとして、福祉住環境コーディネーターがあります。
この資格には1級から3級があり、一番難易度が低いのは3級です。
この記事は、現在病棟で働いている中堅看護師の豆大福餅が書いています。
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@kabumamedaifuku
豆大福餅は看護師と福祉住環境コーディネーターの資格を持っています。
今回の記事はタイトルにもあるように「福祉住環境コーディネーター」という資格の勉強をし、合格した看護師がその資格のメリットとデメリットについて考えた記事です。
この記事の結論
福祉住環境コーディネーターは全ての人におすすめの資格ではないけれど、とても役立つ資格
同じ病院でも福祉用具や介護保険の知識が特にいるような整形や脳外科、療養病棟と眼科や耳鼻科などのADLが大きく変化しない病棟では必要な看護は違ってきますよね。
がん看護が中心の病院ではそこまで優先度の高い資格ではないと思います。
この資格を知らなかった方は「こんな資格あるんだー」くらいの気持ちで見ていただければと思います。
実際に病棟でこの資格を持っているのは、豆大福餅くらいです。笑
でも、毎回受験者の3%前後がこの試験を受けてるのでそこまでレアキャラでもないと思っています
そんな豆大福餅ですが、最近病棟でこんな会話をしました。
介護保険とか福祉用具とかよくわからないし、ケアマネさんやソーシャルワーカーさんに全部任せてる
そうだね。
疾患によってはたくさん関わる機会も多いし、在宅だともっと福祉用具を知らないといけないこともあるんだよ
そうか!整形外科や脳外科だと疾患によって杖や歩行器、福祉用具が必要になることもあるし新しく介護保険を使う人もいるし最低限知っておきたい知識だね
今まで家で何も問題なく暮らしていても、
「入院」がきっかけでADLが低下することも多いの。
そんなときに役立つのが福祉住環境コーディネーターだよー!!
入院はそれまでの環境が大きく変わる大きなライフイベントです。
今までは介護保険なくても生活できていたけれど、どうにか頑張っていた高齢夫婦が病気や骨折によりADLが低下して福祉サービスが導入になるケースも多いですよね。
福祉用具は使い方一つでその人の生活を豊かにすることができます。
この資格は国家資格ではありませんが、「必要な人に必要な用具や環境を届ける」のに役立つ資格です。
看護師が福祉住環境コーディネーターの資格を持つメリット
福祉住環境コーディネーターとして働いているわけではないので資格を生かしきれているかというとそうではありません。
豆大福餅は訪問看護をしていたときにこの資格を知り、受験しました
実際、勉強し合格したメリットは次の通りです。
持っていて損はない資格ですが、全ての人が最優先で取る資格ではないので、
もし、取得を迷っている人がいたら自分が「今」とるメリットはあるのかを参考にしてください
- 訪問看護で福祉用具のアドバイスを求められることが増えた
- 福祉用具の知識がなかった
- 介護保険で使えるサービスの知識がなかった
必要に迫られて受験しましたが、結果的に勉強して良かったと思います。
在宅看護では生活に密着している分福祉用具は身近な存在です。
看護師は覚えなければならないことが山のようにあるので、優先度は低いかもしれません。
それでも、車椅子や介護用電動ベッドやポータブルトイレを使ったことがないことはほとんどないくらい福祉用具は身近なものだと思います。
福祉用具に興味のある方は勉強してみると面白いと思います。
福祉住環境コーディネーターが仕事に役立つ看護師さんの特徴
ご自身のスキルアップの一つとして、この資格を取得が役立つ分野の看護があります。
他の分野でももちろん役立つのですが、より福祉用具が身近ですぐに役立てる分野が脳外科・整形外科といったADLに大きく関わる分野の看護師さんです。
- 脳外科や整形外科の看護師さん
- ・福祉用具がよくわからない看護師さん
・家族から「福祉用具」「住宅改修」について聞かれて困った経験のある看護師さん - 在宅看護に興味がある人
- ・訪問看護師さん
訪問看護をしていた時、福祉用具のアドバイスを求められることが多くありました。
福祉用具に関して看護師としての意見が必要だったので就職して困りました。在宅看護では特に役立つと思います - 将来介護支援専門員(ケアマネージャー)として働きたい人
- ・住宅改修の意見書を書く必要があり、家族に福祉用具のアドバイスを求められて困らないよう今から勉強するのもいいかもしれません
- 福祉用具の専門家として働きたい人
- ・福祉用具の専門家として会社で働きたい方や建築関係の方、介護に携わる方もおすすめです
取ろうと思ったら、試験項目に病気の知識、介護保険の知識が必要な項目があります。
「医学知識があるぶん他の専門職より有利」な問題もあります。
看護師をしていて設計をするわけではいので、1級の知識までは必要なく2級があれば十分だと感じています。
資格取得のデメリット
取ったときのメリットはあるけれど、デメリットもあるの?
取らなくても看護師の仕事はできるよ
デメリットというほどのものでもないし、実際取らなきゃ良かったと思うことはないからほぼデメリットはないかもしれない
それでもいくつかあるデメリットを考えてみたよ
- 資格取得するのに勉強時間が必要
- 資格取得するのに試験費用、テキスト代が必要
- 福祉住環境コーディネーターの知識を病棟で使う機会は多くはない
これらのデメリット(?)はあるもののどの資格試験にも必要なものであり特に大きなデメリットではないかもしれません。
福祉住環境コーディネーターは3級と2級があり、いずれもマークシート方式です。
もともと知っている知識もあり勉強自体はそこまで難しいものではありませんでしたが、建築の知識がほぼないので「建築」に関わるパートの勉強は苦労した覚えがあります。
車椅子を使うのに必要な廊下の幅とか照明の明るさとか図面が苦労しました
実際豆大福餅は普段の看護の勉強の合間に、少し違う分野の勉強をすると息抜きにもなりました。
実際に取得して役立ったと感じた体験
大福餅はこの資格を持ってて良かったと思っています。
そう思った一つのきっかけがありました。
- 骨折し介護が必要になったAさん
- 80代の高齢夫婦の二人暮らしのため、お互いの介護負担を考え布団から、電動のベッドに変更も体位変換などで夜間眠れないと相談を受けました
- マットを電動のマットへ変更、自動体位変換付きのエアマットを導入
- 介護者の負担が軽減し、2人の笑顔が増えました。
住環境はその人の生活場であり福祉用具はその使い方一つで生活を楽にできるツールです
介護が楽になった、ありがとうの一言で勉強してよかったと思ったよ
家の中の段差を解消するだけで、歩きやすくなったり家で安全に暮らすことができるんだね
実際に「生活が良い方向に変わる」きっかけになるのが福祉用具やその人にあう住環境を整えるということだと思います。
使いやすい福祉用具を選び、使うだけで自分でできることが増える。その手伝いができる資格なのでやりがいを感じることができます。
まとめ
福祉住環境コーディネーターは福祉・看護の資格の中でも「誰でも受験できる」資格であり、勉強し試験に合格すれば資格を取得できます。
これからの高齢化社会に必要な資格であると思っています。
現在病棟で働いているため在宅ほど相談を受ける機会は少ないです。
それでも福祉用具を借りる方法や介護保険の申請方法、年間の住宅改修の費用の上限などをすぐ答えられるので在宅生活を整えるアドバイスができていると考えています。
自分の足りない知識を勉強するには「資格」の勉強も一つの方法です
仕事をしていて自分に足りない知識に直面する時がありますよね。
そんなときに、勉強しようと思っても目標がなければなかなか取り組むことができません。
興味のある方は、東京商工会議所の「福祉住環境コーディネーター」のHPをみて受験するかを決めるのも一つの方法です。
実際に豆大福餅が使ったテキストはユーキャンのものです
スキルアップのため、今後も勉強するのでまたみてくださいね♫
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