訪問看護やデイサービス、施設などで勤務中にスキンテアを見つけたら?市販の物品や今そこにある物品で対応するときに役立つ方法や代用品を実際に訪問看護中に経験した対応をもとにてみました。場面に出会った時に慌てないようにカバンの中には最低限の処置物品を忍ばせておきましょう
はじめに
訪問看護で訪問先に訪れるときはいつもドキドキ。
部屋の中が見えず、相手の状況が分からないので何が起こっているのか不安と緊張を抱えながら訪問をしています。
豆大福餅も訪問看護中は楽しみを抱えながらも、色んなことを想定して訪問していました。
訪問看護は物品も限られているし、医師にその場で判断を聞けないから困ることもあるよね
訪問看護をしていた時、色んなことを経験しました。
訪問中によくあったのが、
肌をどこかで擦りむいて出血していた!!や転倒していた!!
といったその場で処置や対応をしなければならない出来事です。
限られた訪問時間の中でできる限りの対処をし、在宅医と連携をとり処置を行い、ケアマネージャーに連絡を取り、家族に連絡を取り次の訪問に行かなければなりません。
今日も元気に「おはようございます」と訪問。挨拶をしいつも通り看護をしようとしました
利用者さんの腕をよく見ると絆創膏があり、じゅくじゅくしています。
話を聞くとテーブルに腕をぶつけたそうで、
皮膚がめくれています。うっすら血が滲んだ絆創膏。三日間貼りっぱなしという利用者さん。
事例はぼかしていますが今回のテーマは
在宅でスキンテアを見つけたらどう対応をする?
です。
でも詳しく書いていますが、処置の方法は在宅でも一緒です。
在宅でできる処置の実際
病院でも在宅でもどこでも、創傷を見つけたらまずは状況の把握です
病院と違って在宅では、今起きた傷ではないこともあるので
「受傷がいつか」や「理由」「感染の有無」を確認しましょう
実際に豆大福餅は、「これぐらいの傷、絆創膏貼ってたら治る!!」と正しく処置をされず、訪問までの悪化し化膿したケースを見てきました
1:創部の洗浄
初っ端なの❶から在宅では困ります。
洗浄は水道水でいいの?石鹸は使う?
消毒はしなくていいの?
病院と違い在宅では「生理食塩水」はありません。
なければ水道水やぬるめの水でも大丈夫です。
痛みが強い場合は「生理食塩水に似た成分のもの」を自宅にある材料を使って作ることができます。
生理食塩水は体内の成分に近い分疼痛を和らげることができます。
<材料>
- ぬるめの水道水
- ペットボトル500ml
- 小さなスプーン一杯の塩
<作り方>
・材料を入れてよくまぜる
・「痛いですよー」と声をかけながら洗浄します
洗浄の際、基本的には石鹸は不要ですが、とても創部が汚れていたり感染兆候がる場合は使うこともあります。
石鹸を使う際はよくあわ立てて洗い、泡の成分が残らないよう流してくださいね。
2:皮弁を戻し、状態を把握
そもそも絆創膏剥がすと出血したり、皮弁が戻らなさそうだよ
もし、すでに処置をされている場合は対応が変わります。
無理に絆創膏やガーゼを剥がすと正常な皮膚まで傷つける可能性があります。
この時のポイントはひとつ
濡らしながらガーゼや絆創膏をゆっくり剥がす
緊張の瞬間です。
剥がした後、皮弁が残っていたら全力で皮弁を元の位置に戻す作業に取り掛かります。
創部に濡れたガーゼを置き、しばらく待っているとだんだん剥がしやすい状態になります
<使用物品>
- 綿棒
- (あれば)ピンセット
皮膚の下にやピンセットを入れ、「外側」へ広げるイメージで優しく伸ばしていきます。
時間がたってキュッと丸まっている皮弁があれば、水分でふやかすと徐々に丸まっているのが広がってきます
この時皮弁があり、元に戻せたら
よく残ってた!!
と全力でガッツポーズをします。(嘘です。嬉しい気持ちは心の奥に抑えて処置に集中しましょう)
3:処置方法を検討
スキンテアの状態を把握したら、次にすることは3つ
スキンテアの状況によって処置方法や被覆剤が変わるため、言葉で説明できるようSTAR分類を活用しましょう。
ステージ1では軟膏処置となることが多く場合によっては毎日の洗浄が必要になる場合もあります。
毎日訪問しない場合も出来るだけ継続して処置ができるよう、ケアマネージャーを通して使用している社会資源(デイサービスや訪問入浴など)と情報共有をしましょう。
処置時に気をつけたいこと
処置時に気をつけることはあるの?
入院中と違い、在宅ではどんな生活を送っているかで処置が大きく変わります。
利用者さんの認知度や家族背景、社会資源、疾患への理解度など考えることはたくさんあります。
色々考えることがあるんだね。
でもどうして?
それは、訪問看護がいれる時間は一週間のうちのほんのわずかだからだよ
継続できる処置を考えるためには利用者さんの全体像を知っておく必要がありますよね。
これは入院中に在宅に帰る患者さんの退院支援を考える際にも重要です。
シンプルな生活環境にあった負担の少ない支援を考え共有する。
創傷被覆剤の選び方
創傷被覆剤を選ぶときは、ハイドロコロイド製のドレッシング剤やシリコン製のドレッシング剤がありますね。
- 皮弁がずれないよう被覆剤を貼るポイント
- 全面シリコン粘着層の薄型ドレッシング剤(デュオアクティブやハイドロサイト)で創面全体を被覆する
- 不透明な創傷被覆剤を使用している場合には皮弁固定を妨げないよう皮膜剤除去の方向を記入し、日付を書く
- 方向を記入しないと皮弁と反対に剥がすことになる可能性があります。そうなるとせっかくくっついた皮弁は…。
在宅で代わりになるものといえばキズパワーパッドが有名ですが、感染層には逆効果のため使用時は注意が必要です。
保険適応外での購入になりますが、ハイドロサイトやデュオアクティブなどもネットで購入することができます
訪問看護でカバンに入っていたお助け用品
基本は主治医の指示で処置を行うけれど、指示をもらうまでの一旦の処置として洗浄して軟膏とガーゼを行うことが多かったよ
看護師は医師の指示のもと看護を行います。
在宅であっても同様に訪問看護指示書を書いている在宅医(主治医)への報告のもと必要な処置を行います。
それでも、目の前の傷をそのままにして訪問を終えることはできません。
指示をもらうまでの間、処置を行うことも多くありました。
訪問のバックにはいろんな物品が入っていました。
- ガーゼ、包帯、医療用テープ
- ワセリンやアズノール、メロリンガーぜ(片側がツルツルで傷にくっつかない)、モイスキンパッドなど
軟膏+ガーゼで処置を行う際もテープは貼らずに包帯で保護をしていました。
テープで再びスキンテアになるのを防ぐためです
予防と家族指導
在宅では家族への指導、予防的な関わりが大切になってきます
スキンテアを予防するためには家族、利用者本人への指導が欠かせません。
在宅で病気を抱えながら楽しく長く生活できるように利用者を支えるのが訪問看護師です。
別の記事でも詳しく書いてありますが、家は生活の場であるためいろんなものが床やテーブルに置いてあります。
必ずしも整理整頓された家ばかりではなく、それも利用者さんの生活あり予防的に関わる必要があります。
欠かせないのはやっぱり
保湿と環境整備
一度傷ができてしまうと感染を起こしたり、場所によってはADLの低下に繋がります。
傷の悪化をすぐに発見できるわけではないので家族や本人に連絡の目安を伝える必要があります
まとめ
傷によって、また利用者によって対応は異なりますが共通していることがあります。
その人にあった看護を行うこと
在宅は一期一会と言われています。
利用者さんの生活を支える訪問看護は欠かせない大切なパートナーです。
今日という日を大切に。
想像と創造で利用者さんらしく生活できるのを応援する
のが訪問看護の魅力です
ドアを開けるときはいつもドキドキ。
今日はどんな看護をしようかと考えながら、日々目の前の患者さんに向き合っています。
実体験が参考になればと思いながら記事を書いています。
また見てくださいね(*゚∀゚*)
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